手づくりの温もりがある笠盛の刺繍
帯の織物業として創業した「笠盛」が、ジャカード刺繍機を導入して刺繍業に転身したのは1962年(昭和37)のことです。
当初は和装刺繍から始まりましたが、並行して靴下のワンポイント刺繍などを手掛け、徐々にオリジナル刺繍技術が確立されていきました。独自技術「カサモリレース」を開発し、2006年(平成18)には群馬県の「一社一技術」にも指定されます。
翌2007年(平成19)には、パリで開催される世界最大のテキスタイルの展示会プルミエールビジョンの服飾資材部門 「ModAmont」(モーダモン) へ出展し、出品した刺繍の付け襟が VIP Products に選定されました。
培った技術を活かして服飾付属品や新たな刺繍加工品を企画し、国内外のデザイナーやアパレルメーカーの方々と一緒により良いモノづくりに日々取り組んでいます。和装から洋装まであらゆる衣料加工に取り組み、最新鋭の刺繍機とレーザーカット等のテクノロジー、熟練の職人との融合よる高い技術力をベースに高品質な製品を生み出しています。
また笠盛の刺繍には、精密な機械刺繍でありながら手づくり仕事の温もりがあります。工場では図案に合わせてミシン針の動きをプログラミングしますが、ミシンは非常に繊細な機械。少しの温度や湿度の違いにも反応し、不具合が出ることがあります。そのため職人がミシンの動きを目視し、ミリ単位で糸のテンションを調整します。経験を積んだ職人の感覚がモノを言うわけです。このように技術と時間が惜しみなく注ぐことで、笠盛の刺繍が出来上がります。
群馬県桐生市のノコギリ屋根の工場には、刺繍資料室を併設しております。
多くのデザイナーの方にはクリエーションの参考にご活用いただいております。ぜひ足をお運びください。